中華バギーとの付き合い方

【8-18.タイロッドの長尺化】

このHPの記載内容について実践される場合、全て自己責任でお願いします。愚生およびルナは、一切その責任を負いません。
フロントアライメントを改造した時から、ハンドルを切った時の左右のタイヤの角度(向き)がかなり違うようになりました。すごく危険、というかタイヤが摩耗します。

その原因については、前からイメージできていたのですが、今回「見える化」しました。
フロントアライメントの改造に使った金具群です。赤丸がタイロッドの長さを補正(長く)するために、ステアリングフランジに取り付けたステーです。



リンク先は、PDFファイルです。ご覧になるには、アクロバットリーダーが必要です。
こいつで、タイロッドの長さ分を補おうとすると、左図のような不都合が生じます。

左右のタイロッドの取り付け点が極端に離れていると、ハンドルを切った時の左右の移動量が違ってくるということ。
X軸方向で、「L左」<「L右」となります。図では考察していませんが、更に、Y軸方向でも誤差が出てきます。

分かりやすく極論しますと、例えば右にハンドルを切った時、それまで左側のタイロッドはタイヤを押す方向に作用していたのですが、TO線(図中の緑色の点線)をタイロッド取り付け点bが越えた時点で、タイロッドはタイヤを引く方向に作用します。
すなわち、ここから先はハンドルを右に切れば切るほど、タイヤは左を向くということ。

要するに中学校の時に学んだ、sin曲線で、X軸に一定速度で動くとY軸は中心線から+−に、上下に波打って変化する、あの原理ですね。

理想のタイロッド取り付け点はa点ですが、1つの穴に2つのボールジョイントのボルトを差し込む事は出来ません。(ハードアダルトの世界なら可能です) 
ですから、左右のタイロッドの車体側取り付け点は、可能な限り接近してなければならないということ。

2輪乗りの自分には、新しい世界です。勉強になります。

で、今のタイロッドをぶった切って、鉄パイプでも溶接して、長さを伸ばそうかとも思ったのですが、なにせ今年の夏は暑い!
100V溶接機しか持っていない自分は、ハイブリッド溶接が必要な訳ですが、この暑さの中、ガスバーナーなんか、とても使う気になりません。

で、タイロッドはネットで買うことにしました。何か、負けた気分が拭えませんが・・・。

【2011年08月25日追加】
上2本が購入したタイロッド320mmです。下の赤いヤツがノーマルのタイロッド。
ねじ込む分を考えると、実質的な有効可変長は、320mm〜340mm程度でしょうか。
なお、購入したタイロッドのボールジョイント部分には、全く油脂は塗布されておらず、カラカラに乾燥していました。ゴムブーツで見えないところですので、購入してしそのまま装着したら、後日痛い目を見ることになると思います。


実際に組み付けてみたら、どうもしっくりとはまりません。よく観察してみると今回購入したボールジョイントの取り付け部分には、テーパー(写真のピンクの部分)が付いていて、このせいでしっくりと、うまく組み込めないようです。

うまく組み込めないだけならいいのですが、それを無視してグイグイ締め付けると、特にタイヤ側の取り付け部分が、穴の内側から押し広げられて、「ピチッ!・・・・・。」と割れる恐れがあると思います。要注意です。

テーパーを削って、真っ直ぐする手もあったのですが、既設のヤツが流用できるので今回は、既設のボールジョイント(赤いやつ)を組み替えて使うことにしました。

で、バンプステア対策で、ボールジョイント(車体側)は、これまでと同じように逆さに付けたいので、「タイロッド取り付けプレート」を自作します。
別にL型プレートである必要はないのですが、幅が広いプレートはこれしかなかったので。。。(笑)

組み付けはこんな感じです。

別角度から・・・。

@:ハンドルポストです。ハンドルを切ると、ここを中心に回転します。(いや、そこまでの解説はいらないから!)
A:Cの所で、メインフレームとボールジョイントが干渉するため、ボルトをスペーサーにして、若干「自作取り付けプレート」を持ち上げます。
B:自作したタイロッド取り付けプレートです。
C:自作したプレート無しで、直接、元々の取り付け穴にタイロッドを逆さに付けると、このCの部分が干渉して、まったくハンドルを切ることが出来なくなります。
まるで、ドラッグレーサーのように、真っ直ぐにしか走れなくなると言うこと。

で、結果は良好です。ハンドルも直進復帰してくれます。バンプステアの影響(横っ飛び)も、ほとんど出ません。

【2012年11月26日追加】
ステアリングダンパーがこの位置にあった時は、すぐそばにトゥー・ガード(?)があったため、そんなに違和感は無かったのですが・・・。

先日、フロントフェンダーを、タイヤを覆うタイプに変えたため、トゥー・ガード(?)が不要となり撤去しました。
んだば、ステダンだけが残って、ちと自己主張しすぎ、ってか、邪魔になります。
ということで、取付け位置の変更です。

で、ステダンをこの位置に取り付け直したのですが、その作業時に、上記、「タイロッド取り付けプレート」がどんな悪さをするか、その「有・無」を検証したところ、意外な効用が確認できましたので、記録しておきます。

左写真の中で、
・黄色矢印:ハンドルポスト・センター
・緑矢印:「タイロッド取り付けプレート」が無い時(純正仕様)のタイロッド取付け位置
・赤矢印:改造後のタイロッド取付け位置
です。

結論から言うと、プレート取り付けによって、支点(ハンドルポスト・センター)から力点(タイロッド取付け位置)が離れるため、メチャメチャ、ハンドルが重くなります。

ただ、支点と力点が離れることによって、路面から受けるタイロッドの動きに対するハンドルの移動量が半減するため、ハンドルへの影響が少なくなります。

結果、この2つが相乗効果でいい方向に働いて、キックバックといいますか、横っ飛び防止に大きく貢献しているようです。

これに慣れると、この「タイロッド取り付けプレート」無しでは、横っ飛びが大きくて、怖くて乗れません。

プレート1枚で、こんなに変わるものかと改めて実感しました。

横っ飛びに悩んでおられる皆さん。一度試してみてください。ハンドリングが劇的に変化します。
その代償として、ハンドルがメチャ重くなりますが、まあ、許容範囲だと思います。

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