中華バギーとの付き合い方

9-08.チェーン調整に関する考察

このHPの記載内容について実践される場合、全て自己責任でお願いします。愚生およびルナは、一切その責任を負いません。


リアサスペンションを外す機会があったので、ついでにチェーン調整に関する考察をひとつ。

バイク乗りには「何を今さら・・・」と笑われそうですが。。。(^_^;)

チェーンのたるみは、

写真中a:フロント(ドライブ)スプロケット
写真中b:スイングアーム・ピボット
写真中c:リア(ドリブン)スプロケット(すいません写真には写っていません。矢印cの先にあります)

の位置関係で微妙に変化します。(写真をクリックすると、大きな写真を見る事が出来ます)

写真1はa〜b〜cが直線の状態です。すなわち写真の赤線と緑線が直線上にある場合です。
この状態でフロントスプロケとリアスプロケの距離(L1)は最も遠くなります。
すなわちチェーンが最も張っている状態です。

写真2はサスが伸びてa〜b〜cが角度<180°の状態です。写真の赤線と緑線に角度がついてます。
仮に写真1が乗車時でサスが縮んでいる状態とすれば、写真2が空車時でライダーが降りている状態です。
通常チェーンの調整はこの写真2の状態で行います。
この状態ではFスプロケとRスプロケの距離L2は、L1より短くなります。


写真3はa〜b〜cが角度>180°の状態です。写真の赤線と緑線に、逆の角度がついてます。
仮に写真1が空車時でサスが伸びている状態とすれば、写真3が乗車時でサスが縮んでいる状態です。
ローダウン仕様のバイク・バギーでこの状態が発生することがあります。
この状態でも、FスプロケとRスプロケの距離L3はL1より短くなります。

何を言いたいかと申しますと、空車時が写真2で、乗車時に写真1となるケースでは、写真2の状態でキッチリとチェーン調整をしたつもりでも、乗車時には、チェーンはキツキツに張り詰めた状態になると言うこと。
これだとチェーンが切れたり、スプロケ・シャフトが変形したり、異常摩耗したりする恐れがあります。

また、ローダウン車の場合、空車時が写真1で、乗車時に写真3になりますので、上記ケースとは逆に、走っている時はチェーンはユルユルとなってしまいます。
したがって、走行中に突然チェーンが外れたりします。

つまりチェーンは、これらの状態変化を考慮して調整しなければならないこと。
これを考えないと、キッチリ調整したつもりが、適正な調整になっていない恐れがあるということ。
特に品質の悪い中華チェーンは、これがトラブルの元凶となります。

オフロードバイクのようにサス・ストロークが長いバイクでは、スイングアームピボットの下くらいにチェーンテンショナーが付いていますが、これが固定式でも機能するのは、写真2の状態(ジャンプした時など、サスが伸びた状態)でチェーンにテンションを加えるのが目的だからです。


下手くそな説明では分かりにくいと思いますので、動画にしてみました。

この動画の中でも述べていますが、上記特性を理解していれば、足回りのメンテナンスで、チェーンを切り離したりつないだりする際、ジャッキアップしてその作業をすることで、いちいちチェーンアジャスタを緩めたり締めたりする手間が省けることが分かります。

チェーンアジャスタの調整の前には、リア足回りを固定しているボルトも何本か緩めないといけないので、かなり省力化が図れます。

写真をクリックするとユーチューブに飛びます。


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