リアサスペンションを外す機会があったので、ついでにチェーン調整に関する考察をひとつ。
バイク乗りには「何を今さら・・・」と笑われそうですが。。。(^_^;)
チェーンのたるみは、
写真中a:フロント(ドライブ)スプロケット
写真中b:スイングアーム・ピボット
写真中c:リア(ドリブン)スプロケット(すいません写真には写っていません。矢印cの先にあります)
の位置関係で微妙に変化します。(写真をクリックすると、大きな写真を見る事が出来ます)
写真1はa〜b〜cが直線の状態です。すなわち写真の赤線と緑線が直線上にある場合です。
この状態でフロントスプロケとリアスプロケの距離(L1)は最も遠くなります。
すなわちチェーンが最も張っている状態です。
写真2はサスが伸びてa〜b〜cが角度<180°の状態です。写真の赤線と緑線に角度がついてます。
仮に写真1が乗車時でサスが縮んでいる状態とすれば、写真2が空車時でライダーが降りている状態です。
通常チェーンの調整はこの写真2の状態で行います。
この状態ではFスプロケとRスプロケの距離L2は、L1より短くなります。
写真3はa〜b〜cが角度>180°の状態です。写真の赤線と緑線に、逆の角度がついてます。
仮に写真1が空車時でサスが伸びている状態とすれば、写真3が乗車時でサスが縮んでいる状態です。
ローダウン仕様のバイク・バギーでこの状態が発生することがあります。
この状態でも、FスプロケとRスプロケの距離L3はL1より短くなります。
何を言いたいかと申しますと、空車時が写真2で、乗車時に写真1となるケースでは、写真2の状態でキッチリとチェーン調整をしたつもりでも、乗車時には、チェーンはキツキツに張り詰めた状態になると言うこと。
これだとチェーンが切れたり、スプロケ・シャフトが変形したり、異常摩耗したりする恐れがあります。
また、ローダウン車の場合、空車時が写真1で、乗車時に写真3になりますので、上記ケースとは逆に、走っている時はチェーンはユルユルとなってしまいます。
したがって、走行中に突然チェーンが外れたりします。
つまりチェーンは、これらの状態変化を考慮して調整しなければならないこと。
これを考えないと、キッチリ調整したつもりが、適正な調整になっていない恐れがあるということ。
特に品質の悪い中華チェーンは、これがトラブルの元凶となります。
オフロードバイクのようにサス・ストロークが長いバイクでは、スイングアームピボットの下くらいにチェーンテンショナーが付いていますが、これが固定式でも機能するのは、写真2の状態(ジャンプした時など、サスが伸びた状態)でチェーンにテンションを加えるのが目的だからです。
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